「粋な店②」
<<日本>>--新宿--


こんな店先を見ると、つい入って見たくなってしまう。

矢張り自分も年なのであろうか、こんな純日本調の黒塀を基調にした店構を見ると、実に粋なものだと、その演出に舌を巻く。

さり気無く大きな壷の上に置かれた店のパンフレットが、自由にお持ち下さいと、言わんばかりなので、せめて品書きだけでもと、つい持ち帰ってしまうのである。

楓や樹木などの青が、黒塀に映えて美しく、看板や店の中の灯りも蛍光灯でなく、タングステン調のオレンジ色であるのが、一層食欲をそそる。

きっとこの楓も、晩秋になると赤く色付き、一層店を引き立たせることであろう。