「バロン・ダンス④」
<<インドネシア>>--バリ島--


バロン・ダンスの物語の中の、壮絶な最後の一場面。

人の心にも、この世界にも善と悪とが同時に存在している、人の心の中で、善と悪とが常に闘っているように。

と、宗教舞踊チャロナランの舞踊的な部分と、古代インド二大叙事詩マハーバーラタから作られたこの物語の最後は、人間が一生を悪に苛まれながら生き続けて行かなければならないと言った場面を、具現化したものである。

この場面では、踊り手の男性達が、しばしばトランス状態になりながら、自分を傷付け続けているのである。

それを止めさせるために、最後に巫女によってお祓いが行われ、この男達は、夢遊状態から正気に戻るケースが多いのだという。