「弓を構える兵士」
<<中国>>--西安--


これは立って弓を構える兵士の様子を現した像である。

弓矢こそ持っていないが、極めてリアルに、兵士が矢を弓に番えている姿が、実に良く表現されている。

1号坑では、沢山の兵士が整然と整列して、行進している様子を見ることが出来るが、二号坑から出土された兵士の像は、戦闘体制に入った兵士の動作を表現している物が多い。

この像の姿から、当時の戦闘場面がありありと想像されるのではないだろうか。

それにしても、この兵士の頭髪を頭の上で纏めた姿が、脇で携帯を掛けている中国女性の頭と似ているのが、興味深い。

当時の中国における、北方民族との戦いは、何万何十万という単位の軍隊であったと言うから、その規模の大きさからも、如何に大量の、想像を絶する人馬による消耗戦であったかが、中国史からも読み取れるのである。