「迫真のギタリスト」
<<スペイン>>--バルセロナ--


グェル公園最後のページを飾るに相応しい、お気に入りのギタリストの引いた写真をもう一枚。

代表的なスペイン人を思わせる、彼のクラシックギターの演奏は、今でも耳に残っている。

帰り際にもう一度此処を通った時に、去りがたい気持ちでもう一枚彼の写真を撮った。

脇目も振らず、一心にギターを奏でる彼の姿は、周りを気にせずに一心に自分の演奏に没入しているようであった。

その迫真の演奏に、私は釘付けになってしまい、こんなに上手くギターが弾けたら、どんなに楽しいだろうと思いつつも、生活のためとなると矢張り大変なのだろうと、思いを巡らせていた。

此処は彼の第二の仕事場であり、夜は何処かの舞台で、彼の力量を思う存分発揮している事を願いつつ、演奏に聞き惚れていたのである。

スペインには、彼くらいの力量を持ったギタリストが、たくさん居るのだろうかと思いつつ、この場を離れたのであった。