「帰り道⑥」
<<インド>>--ヴァラナシ--


これだから牛や羊が、路地を餌を漁ってうろつく筈である。

ゴミとして出された野菜などが、所狭しと積み上げられている。

こんなご馳走を彼らが見逃す筈はないであろう。

路地にはゴミの山の他にも、レンガ塀が崩れた瓦礫などが散乱しており、歩きにくい。

それでも此処の路地は泥道ではなく、石畳がきちんと敷き詰められた道だから、綺麗に整備されれば、ヴェネチアの路地裏のように、見応えのある景観になるのではないかと、思ったものである。

しかし、考えようによっては、これがインドの路地を象徴する光景であるのだと思えば、世界の街角を撮り歩く私には、貴重な被写体に見えてくるのである。