「店番」
<<日本>>--川越--


人けの無い昼下がりの乾物屋、犬が一匹店番をしていた。

何とものどかな情景である。

犬の好物である干物などが並べられているこの店で、それらに見向きもせず、この利口そうなコリー犬が大人しく店を守っている。

家人はお客が来ると犬が知らせて、家の中から出て来るのだろうか。
生き馬の目を抜く東京では、考えられない光景ではないだろうか。

川越は静かな城下町である。

春の真昼の日差しを受けて、眠くなるような店先の傍に来た時、正午を知らせる時の鐘の音が聞こえてきた。

それにしてもこのお店、店を閉める時にどうやって戸を閉めるのか、気になってしまった。