「姉妹②」
<<インド>>--ヴァラナシ--


何と屈託の無い二人の笑顔であろうか。

彼女たちに近付いて写真を撮ってあげると言ったら、こんなポーズで応えてくれた。

姉の方は、前歯が抜けて永久歯に生えかえる頃なのであろうか。

と言う事は、まだ小学生の年中組くらいなのであろう。
しかしそれも学校に行っていればの話である。

発展著しいインドでは、更に貧富の差が大きくなっていると聞く。

今回発生したムンバイでの大規模なテロ事件の根底にも、その要因にはこの貧富格差が有るように思える。

タージ・マハルやトライデント・ホテルなどの超一流ホテルが、テログループに狙われた事がそれを証明している。

カースト制度(階級制度)の最下層に属する人々は、人間以下の生活を余儀なくされ、上流階級の人々の生活を偏見を持って育っていく事だろう。

そして彼等がやがて成人し、ある者はテログループに身を投じ、生活の糧をそこで確保しながら、上流階級に対して復讐心を増徴させる。

今回のテロの目的は、捕えられている同士の解放が目的のようだが、長くインドを支配していた西欧人が襲撃のターゲットになっている事からも、支配者への強い憎しみが感じられてならない。

この姉妹の笑顔が、彼女たちが成人する頃には、カースト制度が廃止され皆が平等なインドとなって、消える事のない世界になることを願って止まない。