「集まる子供達②」
<<インド>>--デリー--


今度は女の子の集団が集まって来た。

車が渋滞で、のろのろ運転になったほんの数分の出来事であった。

彼等とは肌の色や顔付きの違う我々に興味が有るのか、それとも私が手に持っているビデオカメラに関心が有るのかは定かではない。

多分、綺麗な車に乗って車の中から、にこにこしながらビデオを回している我々に好奇心が有るのだろう。

遊ぶ道具を持たない彼女たちにしてみれば、こうした動作をしている我々が不思議な存在であり、興味の対象なのであろう。

それは戦後、今までは日本人しか見たことの無い日本の子供達が、初めて見る進駐軍のアメリカ人に群がったのと同じ感覚なのではなかろうか。

中には女の子らしく、恥ずかしそうな仕草をする子、真剣に眼差しでこちらを見詰める子、にこにこと笑みをこぼしながら女性らしい仕草で、こちらを見ている子など様々である。

路地の奥からこちらを眺めているサリーの女性は、子供達の母親だろうか。