「祭礼の夜⑥」
<<インドネシア>>--バリ島--


ダラム・プリ寺院の中には、既に善男善女が境内をびっしりと埋め尽くしていた。

生憎の雨模様なのに、信者達はそれを気にもせず、濡れた境内に座り込んでいるのだ。

私も座るように勧められてトライしたが、ビニール袋の上に座っても尻が濡れてしまいそうで、断念し一番後ろに立っていた。

巫女さんが米粒と聖水の入った器を持って、一人一人の信者達を廻って額に貼る生米を渡し、頭から聖水を振り掛けていた。

それらの事前の儀式が終わると、いよいよ僧侶の指導で、読経が始まるのだ。