農政
洪水防止、植樹奨励 寛文6年「諸国山川掟」。

 大石慎三郎著『江戸時代』で紹介の一節・
 一七世紀末期の江戸幕府の森林政策。時は新田開発進展期で、あいつぎ田畑の新規造成がすすむ。
 ために森林が切り開かれて洪水が現実に発生し、さらに被害が拡大する懸念があった。

 そればかりではなく新田開発が進み過ぎて、労働供給が追い付かず開発はすすむも放置されたままで荒廃地になってしまうことになった。
 幕府は掟書を出す。新田開発により三倍強の耕地面積を確保することができた。
 が、労働力不足を生じただけでなく、山川国土の荒廃と古い田畑の管理低下を結果した。

 そこで「開発至上主義政策」=開発万能主義農政に反省を加え、「本田畑中心主義」=園地的精農主義農政に方向転換する(60p)。