川に背で発展の近代、軌道輸送衰弱の現代 読みたい岩本由輝著『近世漁村共同体の変遷過程』700130
 川に背で発展の近代、軌道輸送衰弱の現代 読みたい岩本由輝著『近世漁村共同体の変遷過程』700130
都市で中心街空洞化が指摘される今。地域に移住を誘導した<母なる川>と向き合ってゆきたい。
 中心街は軌道交通の普及を背景に母川に背をむけて発展。軌道交通が地域特殊資源を失って輸送機能の頂点からスベリ落ちた。
 目をおおう中心街の荒廃。そうしたときに再度、目をむけたい。SDGs、2030年の地球危機のためにも。

 岩本由輝著『近世漁村共同体の変遷過程』(塙書房 1970年01月30日 初版)は、「商品経済の発展と村落共同体」の副題をもつ。
 三陸海岸の宮古湾、大槌湾、釜石湾を舞台とする。
「漁村を中心とした商品経済の進展」。著者は注目する。

 共同体とは。
 「個人の自立的生活が不可能なため、集団を作って生産・生活をすることを余儀なくなされ、自然発生的に構成された組織」。
 自身が身を置く場で重要なのは会社組織。市民は当事者  能力をさておいて、組織の一員として生産・生活・環境と向き合う現代。

 近世の三陸社会に、特権商人=前川家の出現がある。
 しかし新時代に地域創造をめざすうえで、コミュニティ社会を生きる個人の<当事者意識>。
 地域再生のキーワードを学べる著作。岩本由輝著『近世漁村共同体の変遷過程~商品経済の発展と村落共同体~』。