政権の論理すり替え 沖縄返還&日米密約 スクープ記者の死230225
 政権の論理すり替え 沖縄返還&日米密約 スクープ記者の死230225

 2月25日発信の「沖縄密約スクープ 元毎日新聞記者の西山太吉氏死去」(『産経新聞』)。
 記載がある。「昭和47年の沖縄返還を巡る密約をスクープし、国家公務員法違反で有罪となった元毎日新聞記者、西山太吉氏が24日、心不全のため北九州市内で死去した。91歳」

 往時を思い出した。
 毎朝、出勤途上に駅の売店で『毎日新聞』を買い求め、「沖縄密約」の内容に目を奪われた。
 事は「1971年に沖縄返還を巡る日米間の密約文書の内容」を公にしたもの。

 公共放送は江川紹子氏の談話を紹介。
 「政権の秘匿と報道の<主権者が知る権利>のせめぎ合いは、これからも続く」。
 TBS系列はサンデーモーニングで、青木理氏がコメントした。
 「(裁判で)検察が『情を通じて』っていう言葉を使ったもんだから、そっちの方がクローズアップされて」

 「結果的に『西山事件』とか『外務省機密漏えい事件』っていう名前に」。
 「本来は『密約事件』あるいは『密約隠蔽(いんぺい)事件』」と西山さんのスクープ内容が注目されるべきだった」と指摘。
 「国家のウソっていうものが問われなくちゃいけなかった本質が、ある意味で歪曲(わいきょく)とか矮小(わいしょう)化とか、本質がずれてしまった」。

 最後にさらに、一言。
 「密約事件」が「西山事件」となったことを「戦後日本のメディアの、戦後日本のジャーナリズムの蹉跌(うまくいかないこと、挫折、失敗などの意)」と表現。
 「密約とか日米関係とかっていうものが問われなくちゃいけないのが、ジャーナリズムとかメディアの問題になってしまった」。

 政権がお得意とする「論理のすり替え」。
 そこまでして、堅持する「日米関係」。あらためて、なんであるのか。
 そこは、考え続けねばならないのではないか。