男性の仕事があるから拡充した都市 北海道東部210208.
 男性の仕事があるから拡充した都市 北海道東部210208.

最近、表題のように申したところ、「なぜ、男性優位のマチになったか」と要因を聴かれ、端的に指摘することを求められている。



 要因として。4点を考える。

 1)漁業・石炭。港湾荷役などの重筋肉労働への依存。
 2)鉄道。警察・消防など危険作業の従事業種。
 3)半熟練・不熟練でも務まる職種で単身赴任を余儀なくした生産コストの低さ。
 4)採取・移転する資源の高次加工や高付加価値生産のため。女性労働力に依存。若しくは組織化がすすまない。

 いつも男性主体の労働組織で、女性が軸になる職種は<補完的>領域に閉じ込めてきたのではないか。

 もちろん、<気がついていない>わけではない。
 1974年といえば、77年4月に国際海洋法会議の論で、世に言う「200海里内の自国資源保護」の条約が発効した後の事。
 <魚の水揚げ量日本一>を標榜していた、漁港漁業は少なからぬ影響をうけた。

 識者は申した。
 「釧路市は比喩的に云えば。あくまで「オトコの街」である」。
 「資源に目をつけ仕事に目をつけ、モウケに目をつけた人々が中心の街であり(略)」
 「『粗放な利益』を求め。それに誘引されて集合し、形成された街である」。
 「(略)ここは荒々しい産業都市であり。それが釧路の特色であり。魅力であった」。

 それだけではなかった。向後を、次のように論じた」
 「幼児・年少者にとって。教育期の生年にとって、若中年の婦人にとって、老人にとって、『釧路は生活するだけの価値をもった都市といえるか』が問われようとしている」。そう、続けていたのであるが。

 2020年12月末日の「住民基本台帳登録人口」。
 その数で、帯広市を3名下回り、今後はその差が拡大すると報じられている。
 地方都市は軒並み、人口減が続いている。課題は、そこにあるのではない。
 帯広市と釧路市。その減少幅に、大きな差があるのだ。実は、そこに注目しなければ、なるまい。

 外からの投資で作り上げられた地域。
 往時の海外資源依存に加えて、生産拠点も海外に移転。市民が汗ながして<まとめあげた富>も<公共投資>も、どこか、一極に集約されている現実を。