2017 01/08 06:42
Category : 書評
芝居・遊郭=二大悪所の起源 安原眞琴著『芸者が支えた江戸の芸
芝居・遊郭に「二大悪所」の評があったそうで.
垂涎もこめて「悪所」と<タメ息>の出た庶民に遠い存在.
が、実は<京都の近隣>で発生するも、後世に<江戸で開花>という話、か.
「遊里」と「遊郭」.
垣根や溝のあるなし.囲い込みの有無で分別されるのだそうで.
かたや、「阿国歌舞伎 おくにかぶき」=女性と「若衆歌舞伎 わかしゅうかぶき」=男性の、芸.
前者が禁止されてのち<女性の芸と教養>が島原=京都、吉原=江戸の遊郭に.
こなた奨励された、「若衆歌舞伎」は江戸の歌舞伎に.
起源が近隣.
京都にヒトがあつまると、娯楽をもとめてマチ中に繰り出す.
あつまるヒトを楽しませる曲芸・笑い・珍獣.男の芸もあらば女の微笑も.
そこに天皇家の家臣をふくめて公家の若者がくりだし、<芝居と遊里>が誕生することになる、と.
権力は秀吉の時代から、分散して発生する娯楽の場を<京の三條>に集約するなどの<統制>に着手.
それも時代のなりゆき、か.
かぶき=傾き者.
そうは言うが<経済的富裕者><高位分限者>の教養と芸とフトコロ.
なるほどなー、と思った点.江戸・吉原の客人.元禄・享保期を境界に変化があるそうで.
幕府創立の初期は、新興の大名家家臣や名代の旗本.それが境界期経て「紀文」・「奈良茂」が、幅を聞かせた、と.
そこは<言葉の音感>に<幻惑>されることなかれ、と.(NHKカルチャーラジオ 歴史再発見 日本放送出版協会 2016年)