2016 11/07 08:20
Category : 旅紀行
下北.尻屋崎 宮本常一の岬紀行161107 No490
1970年に参加した青森県下北半島の調査.いつも北海道側から本州を眺めていますが、今回は本州側の様々な表情を伝えさせてもらっています.
『私の日本地図 下北半島』(同友館 1967年)
宮本は本州最北端を標榜するこの岬に足を踏み入れました.
「岬の突端はどこでもさびしいものである。眼のまえはただひろびろとした海、そしてそのはてしない彼方へ思いをはせつつまた引きかえさなければならぬ一種の限界感の持つ孤独感は岬をおとずれる者がひとしくあじわうことであろう。それでいて人びとはそこまでいってみないとすまないような誘惑にかられる」(130p)
「期待」と「諦念」
<訪問者を岬の先へと誘う吸引力>に対しては.<訪問者を現実に引き戻す阻止力>ですね.
前者の<期待>に、後者は<諦念=道理をさとり、真理を諦観(ていかん)する心>が働きます.
岬観光の醍醐味を示す一節かと思います.