新生活運動ー前ー
 新生活運動ー前ー.
 朝鮮戦争発生時から、昭和30年の新生活運動協会誕生にいたる<草の根>運動.
 都市や農漁村の女性が参加する婦人会運動のなかで、発生したかと整理しておく.

 生活合理化、交際簡素化.
 モノ不足の時代からようやく抜け出すことになった朝鮮戦争の勃発による特別需要.
 日本経済は、復興の離陸に立ち向かう.食糧確保という「量」の問題から、栄養改善など「質」の確保にむかうとき、そこに必要な家計費をうみだす財源確保.
 その視点が、地域内の交際にむけられた.戦前の伝統的枠組みにくわえて、復興による新規雇用で生じた新しい人間関係.
 無駄をはぶくうえでの生活合理化、華美になる隣人、一族の交際に線を引く、交際簡素化が提案された.

 戦前生活の改良.
 「新生活」と銘打つ理由に、戦時・戦後の生死をあらそう深刻な生存をかける時代があって、そこを「旧」とし、それを払拭するうえでの「新」が、あった.
 新生活運動の一端は、戦時・戦後色の払拭に対する、新時代の生活様式の意味があった.