やりたいように自由にできた 「世の中スイスイ『無責任』 植木等
 やりたいように自由にできた 「世の中スイスイ『無責任』 植木等」.

 植木等は高度経済成長の時代をかけぬけたとされている.
 脚光をあびたのが、かりに昭和32年前後からと、理解しておこうか.自明であるだろうが、こまかく見てきたわけではない.
 年譜に「1957年 昭和32年 30歳 ハナ肇とクレージーキャッツに加入」(96p)とある.

 森永卓郎氏は、「そのうちなんとかなるだろう」で、
 「高度成長期の日本では、(経営者は)現場を尊重しているので細かいところまで口出ししない」「つまり、一人ひとりが自立していて、自分たちのやりたいようにできた」
 「(映画『釣りバカ」のハマちゃんは)力を持った経営者にかわいがられているから好き勝手なことができる」「これは高度成長期の無責任男と決定的に違います」(129p)と、書く.

 仕事で責任をとり、仕事から解放されて無責任を振る舞う.「無責任」といいながら、キチンと責任をとっていることを知っている.

 俳優と俳優にエールをおくったサラリーマンの間にあった、「共感・共有感」ということが、ポイントらしいのであるが.
 でわ、往時をかえりみるに、「なぜ、うけるか」を理解出来なかった点は、そうした仕事現場にいなかった、所為か(『知るをたのしむ 私のこだわり人物伝』 2007年8月).