噛む 深呼吸 歩く
 セロトニン神経を鍛える極意と聞かされたことがある。「聖地が癒す」という趣旨の講座のなかで、テキストに記載された事項。

 「よく噛み、唾液を十二分に引き出して」とは、健康の維持で聴かされる。呑みこもうか、飲み込むまいか。
 そのとき、考える。「ここで、飲み込むタイミングか、いや?、まだか」。

 深呼吸。迷うときには、大きく息を吸い込んで、ゆっくり吐き出す。そうとも、言うではないか。
 その間に、別なアイデアが頭をよぎる。

 歩く。目的地につくまでに、実はいろんなことを考える。車を運転してもいろんなことは考えるが、それは安全な運転のためであって、気持ちを分散させるわけにはゆかない。

 ウツ、自殺。選ぶことのできる道は、ひとつだけか?。
 そのとき、他にある方法、手立て、選択の発見。確かに平常心なら、それは可能。
 噛む、深呼吸、歩く。それ自体も目的であるかもしれないが、その間に存在する「幅広い選択過程」こそ、重要であるように思えるが。