2010 10/27 21:18
Category : 書評
田辺聖子「まいにちばらいろ」は、NHKアナウンサーがインタビューを務め、作家が語るというツクリ。
NHKの朝ドラで取り上げられたり、『文藝春秋』で「田辺写真館」のシリーズがあって、すっかりおなじみでもある。
金物問屋に勤めることがなかったら、小説家としての深まりはなかったであろうというし、これからも恋物語を書き続けたいとする。
四話の冒頭には著作の一部が引用され、話題が展開するが、やはり聞き手の話題の引き出し方が、冴えている。
宮本亜門「僕が居場所を見つけるまで」は、沖縄に根拠地をかまえブロードウエイに進出、「新しいミュージカルの演出」で話題をさらう。
意外であったのは、「まとめるのではなく、人それぞれが光輝いてくれればいいとおもっています」とある、冒頭のくだり(80p)。既存の「出演者やスタッフを一つにまとめて成功に導く」とする舞台演出家像に、自らアンチテーゼを示す。
亜門といえば「違いのわかるコーヒー」のCMでおなじみながら、新橋にある喫茶店の子息とは、本書を読むまで知らなかった。
(日本放送出版協会 2006年)
NHKの朝ドラで取り上げられたり、『文藝春秋』で「田辺写真館」のシリーズがあって、すっかりおなじみでもある。
金物問屋に勤めることがなかったら、小説家としての深まりはなかったであろうというし、これからも恋物語を書き続けたいとする。
四話の冒頭には著作の一部が引用され、話題が展開するが、やはり聞き手の話題の引き出し方が、冴えている。
宮本亜門「僕が居場所を見つけるまで」は、沖縄に根拠地をかまえブロードウエイに進出、「新しいミュージカルの演出」で話題をさらう。
意外であったのは、「まとめるのではなく、人それぞれが光輝いてくれればいいとおもっています」とある、冒頭のくだり(80p)。既存の「出演者やスタッフを一つにまとめて成功に導く」とする舞台演出家像に、自らアンチテーゼを示す。
亜門といえば「違いのわかるコーヒー」のCMでおなじみながら、新橋にある喫茶店の子息とは、本書を読むまで知らなかった。
(日本放送出版協会 2006年)