阿寒・布伏内
 シュンク山=277.9メートルから、市街地を俯瞰。

 取り付け道路の両側には、炭鉱住宅街として発展してきた町並みの痕跡が。その一方で閉山後の工場
誘致によって進出してきた工場があって、その後、廃墟となった工場も並ぶ。

 石炭産業が多くの労働力をあつめて山峡に集落を発展させたものの、閉山後にその穴埋めに腐心した
姿が垣間見える。
 石炭産業の盛時には及びもないが、それでも小規模ながらも工場がはりついて安堵したのもつかのま
、中国人労働者の逃散や業績不振が重なって、休止の工場もめだつ。

 一帯は舌辛川とシュンクシタカラ川の合流点に近い。炭鉱閉山で川に清流がもどった。澄んだ空気と
寒暖の差の大きい季節のメリハリがよみがえった。

 旧阿寒町布伏内。産炭地終焉後の静かなたたずまいのなかに、息をひそめた胎動を感じとりたいのだ
が。