伝統の秘密(上)
 「三寺まいり」は、岐阜県の旧古川町に伝わる伝統行事。合併して飛騨市古川町とかわったようだ。9日午前、見るともなく入れたテレビが「新日本紀行 ふたたび」。

 住民の寄付により年に一度、地元のローソク屋さんが、身の丈もあるような大きなローソクを寺院におさめて法要が行われる。マチでは灯篭を川べりにすえたり、流したりして、盛大に行われる。
この行事は、朝ドラ「さくら」で、二度にわたり眺めていたので、おおよそのことは承知していた。

 大きなローソクは職人技で、ヒビが入らぬようように仕上げられ、最後は灯火を着火する芯の切り出しと仕上げが、細心の注意を払ってすすめられる。技が稚拙では、ヒビがはいり、最後の仕上がりがシャープにあがらない。職人は、睡眠時間を削って仕上げる。

 文化の多様性が示される一方、その平準化も起こっているように、思う。
 電灯の時代になぜ、ローソク。機械化の時代に、手作りでないと、シッカリしたローソクが得られない。外国からの輸入品の時代に、なぜ高価な日本製。
根っこは信仰で、便利、代替、効率の時代に技でこだわり、住民も浄財を負担して信仰、技、手作り、文化を受け継ぐ。