一番高い搭の歌
時よ、来い、
ああ 陶酔の時よ、来い。

よくも忍んだ、
覚えもしない。
積る恐れも苦しみも
空を目指して旅立った。
厭な気持に咽喉は涸れ
血の管に暗い蔭がさす。

ああ、時よ、来い、
陶酔の時よ、来い。

穢らわしい蝿どもの
むごたらしい翅音を招き、
毒麦は香を焚きこめて、
誰顧みぬ牧場が
花を開いて膨れるように

ああ、時よ、来い、
陶酔の時よ、来い。

Arthur Rimbaud
小林秀雄訳