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中国が情報戦「特殊部隊」ネットに侵入

産経新聞社 11月25日2時16分

米議会報告書通常兵器の劣勢カバー
 【ワシントン24日=前田徹】中国が軍事力で優勢な敵をかく乱する戦略情報戦を専門にした特殊部隊「ネット・フォース(軍)」を養成していることが二十四日までに、最新の米議会調査局報告書で明らかにされた。通常兵器技術で米国に追いつくのは難しいとの判断から、短期間で養成が可能な情報かく乱に力を入れているとみられ、一九九七年以来、中国では数回にわたって大規模な訓練が実施されたという。

 報告書によると、「ネット・フォース」は大学や研究施設、軍訓練学校などで特殊訓練を受けた予備役のコンピューター技師で構成されており、敵のコンピューター・ネットワークに侵入して前線への兵器部品調達情報やミサイル誘導システムを狂わせることなどを戦略目標にしている。

 中国人民解放軍指導部はこの部隊の訓練に年々、力を入れる傾向にあり、すでに数回にわたって中国全土で大規模な情報かく乱模擬戦が行われた。

 また、米ディフェンス・ニュース誌は「情報かく乱のための技術革新が中国軍で急速に進んでいる」というランド研究所の中国軍専門家らの話を紹介して同報告書を裏付けたうえで、「中国は米国など通常兵器で圧倒的に優勢な敵と同レベルで対抗できると考えている」と指摘し、とりわけ米本土への攻撃がコンピューターを通じてなら可能となる点を重視している。

 このほか同誌は「ネット・フォース」の戦略目標として台湾海峡での紛争をあげており、台湾方面へ急派されるであろう米軍の動きを封じるのに情報かく乱が有効との見方を示した。

 中国軍は九一年の湾岸戦争で米軍が使用した情報技術に強い関心を示し、今年十月に発表された中国軍国防白書でも防衛における情報戦の重要性が強く指摘されている。

 しかし、米国内の中国軍専門家は、こうした情報戦に必要な統合司令能力の面で中国軍がまだまだ遅れているとし、「ネット・フォースが米本土への脅威となるにはまだ時間がかかる」とみている。