2010年01月の記事
2010 01/30 01:15
Category : Haiku & Tanka poems
秋の風琥珀に滲むススキの穂揺れて紅ぬくもり求め
有頂天孤独の果実幻と現虚と実映し途方に暮れる
幸せが揺れておいでと天高く愚かな若さもう帰れない
秋の空朧月夜の坂の下孤独を憎み孤独を愛し
変わらない太陽の塔燃える秋原色褪せぬ岡本太郎 (%)
懐かしく流れゆく曲傘がない齢を重ね美学にかわる
元町を彷徨うジャズの枯れし色
星月夜長き読書の旅に出る
灰皿に燻る秋のハイライト
蒼い月寒露に浮ぶ夜明け前
落葉樹手にとる黄色季の神秘
秋の赤もののあわれみ語る木々
秋の暮れあかねをくぐる夢つばめ
風の道秋を散りばめ渡る鳥
陰陽に捻れし枯れ木現の幻
焼却炉燃える炎の自己嫌悪
絶望はここより寒い斬られ役
寒の弦燐光残すオルゴール
錆びた赤湾の泥海冬の雨
またひとつ寒波の夜の流れ星
大寒に機械仕掛けの春の花
石庭も凍る宇宙か瞑想図
不況風らせん階段冬の円
プリンセス氷の世界真央とヨナ
ナイロンの弦に奏でる冬の旅
七曲り冬の潮騒播磨灘
我を問う煩悶うねる冬の海
噛みしめる吹雪の中に個の命
蒼白き樹海の砦冬の底
死を見つめ終焉学ぶ生きる冬