2011年12月の記事


2011.12.31 23;59
マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや 1957年1月「われに五月を」寺山修司
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今年さいごに出したメール
こんなメールを、いま、出した。

静かな大晦日がゆっくり過ぎていく。

3.11を体験したにもかかわらず
月は、さえざえとかがやき
星々はしみじみときらめいています。

さて、夢工場
来年はどんな「時間」をつむぐことになるのだろうか?
いろんな時間をふりかえりながら
31日を過ごしています。

今日は、夢工場メーリングを読み返しながら
一日を過ごしました。
2004年から2011年の7年あまりで
メーリングNoは「4393」に。
だから、これは「4394」通めのメーリングとなります。
一年平均600通あまりのメーリングが7年あまり。

どのメールも開いてみれば
その時々の色と匂いと汗がにじむようで
気がついたら丸一日ながめ続けていたことになります。
あれもこれも鮮烈な記憶につながるものばかりですが
今日は、そのなかの一通、
いまはなき池田さんに宛てたメールが
とくに印象に突き刺さりました。

次の次を念頭におきながら
明日をどんな一歩で踏み出せばいいのか
正月休みの宿題を前に
手を付けることになりそうな「池田ワールド」
われらが「夢テアトル」の消息をたどりました。
その過程でひさしぶりに目を通した
2005年10月20日木曜日 14:20付けの池田さんへのメール
メーリングNo.843「邯鄲の夢」を、
あらためて引用しておきます。

実現したこと、まだ道半ばのこと、こもごもありますが
ぼくたちが、どこまで来たのか
これからどこへ向かえばいいのか
そのヒントが、ある…
そんな思いにとらわれたので。

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From: 益子自宅 <mashiko@mars.dti.ne.jp>
Date: Thu, 20 Oct 2005 14:20:07
To: 夢工場ml東京WG <yumekoujou@ml.dentsutec.co.jp>
Subject: [yumekoujou:00843] 邯鄲の夢

池田さん
音環境問題についての打合せ
明日六本木TSPの地下でお待ちしています。
何時にきていただいてもダイジョウブです。
お話したように
「気配」がいちばんのテーマかな、と考えてきました。
閉鎖された環境ではないという敷地条件を逆手にとる。
これがミソ。
須賀川の3ヶ月で感じたことを活かしてみたい。
客の笑い声も、他のパビリオンから洩れてくる音も
蝉時雨も、森をわたる風も、雨音も、雷も
パレードの音楽も、久石譲のバカ映画も花火ショーも
すべてのノイズが強弱をつけながら
渾然一体となっている。
ぼくは、それが「生きていく」
ということだと思います。

外国の空港の待合室で時間をつぶしていると
コトバがわからないぶんだけ
音がきわだってくるように感じることが
よくありました。
その音の洪水の中から、聴きたい音だけを選び取って
いつのまにかここちよさに転化させている
そんなことがよくあった。

閉じられていない空間は、
この周囲の音をどれだけ生理的な
「快」の磁場とできるか。
それがとても大切な要素だと思っています。
家を買うということが、
人生を買うということなのだとしたら
ぼくたちは、もう少し踏み込んだ体感のしかたに
歩を進めてもいいのかな、と考えています。

バスを降りた、その瞬間から
「夢工場」は始まっている。
それがコンセプト。
だからこそ駐車場には巨大な落水が壁を作っている。
体感し出てきてバスに向うとき
あの洛水壁を通り越す瞬間に、「
夢工場」を取り囲むノイズが甦ってくる。
なんども体験したように、
あの壁はマジシャンの指パッチンなんだよね。

だから、
この次のステップには
各施設だけではなく
敷地の隅々まで、
あの落水壁の音がもつ心理効果を配置してみたい。

夢をさめさせない、工夫。

これが夢工場の音環境のテーマかな。
あの町は、季節の移ろい、
日々の移ろいそのものを体現する
そういう場所でもある。

ここに足りないのは
「あなたとあなたのご家族の暮らしです」

そんなことを営業マンが客に話せれば、
もうしぶんない。
もちろん、音環境の整備は、
そのための一里塚に過ぎませんが。

むじなの森の「しょうぐん」池田が
眠い目をこすって起きてくれるなら、
百万人の援軍来る、です。


あの大トラブル解決の夜のように
いつか夢工場のけやきの樹の下に寝転がって
月でも眺めながら
虫の声でも聴こうじゃありませんか。
ワンカップ片手に、邯鄲の夢でもたのしみましょう。
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では、みなさま
よい年を。

   2011.12.31 22;21 上弦 T.M
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