2023年05月の記事


梅雨


緑の五月も終わろうと濃緑に帯びてきた木々の葉。
大型台風の影響か海の波も荒い。

鴎が雨で湿りがちな雲間から飛び出て、
遠慮がちな顔して私を少し見ていた。

線路の軋みがスローモーションのように
身体を揺らした。

隣り屋の一階屋根の上迄、琵琶がたわゝに生っている。
連日の雨に耐え切れず柿の花はどんどん散りゆく。

静岡県は例年より八日早く29日に梅雨入りをした。
28日深夜0時から午前一時に主人が出かけたが、
そんな予感がして彼に「何処へ行くの?」
私は走って追い駆けた。

すると彼は家に戻り、翌日に無断旅行に出かけた頃、
私は心身疲れて寝坊をしてしまった。
寝坊と言っても6時過ぎだと思う。

一度も、彼の預金通帳を見た事が無いので
貯金が有るのか借金が有るのか分からない。

20年前に彼の鞄を開けようとした瞬間、
「泥棒!」と大声で言われ二度と鞄に
触れる事はない。

身の回りの世話をされるのを嫌がるので
放って置くが服をあちこちに投げ散らかす。

帳面だけは貴重面に計算したり記帳しているが、
家の外も中も乱雑で掃除機の音を嫌う。

夕暮れ時に畦道散歩に行くと白鷺や
水辺で遊ぶ鳥達に癒される。

速く自分の色々な物の整理を済ませて、
故郷に行き従妹や同級生(友達)に会いたい。

明日から水無月に入り静岡に来て一ヶ月になる。
紫陽花が雨に濡れて綺麗だわ。
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さくらんぼ



小さな小さなさくらんぼが小枝にいっぱい実をつけた。
山形のさくらんぼのような立派なさくらんぼではない。

手をかけ店頭に出す山形のさくらんぼは、光沢があり、
大粒で素晴らしい。その分値段も高価になるのは当然だと思う。

家のさくらんぼは、1年中放っておいても小粒ながら
実ってくれるのだから文句も言えない。

青々と茂ったさくらんぼの葉の近くには、柿の木に白っぽい花が咲いた。
狭い裏庭に出た時、柿若葉がきらきら眩しい。

日差しを沢山浴びて柿の花が数え切れない程ついている。
清々しい風に黄緑色の若葉がひらひら蝶のように舞う。

真っ青な琵琶もぼつぼつ黄色みを帯び、数えきれない程
実り、隣りの家の一階屋根までしがみついて生っている。

二十四節気の立夏も終わろうとし、小満も近い。
月日の速さに驚くばかりでやるべき事が中々進まない。

暑さには慣れているので暖かいと元気が出て来る。
清々しい五月、美しい自然と共にずっとこの月に暮らしたい。

さくらんぼ ロマンテックな 紅円
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