2007年08月の記事


084「眼鏡」
銀縁の
きらりと光る
知性かな
ありもしないのに
その気になってみる
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083「命令」
右を向け→
左を向け←
前を向いて
進め~
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
 ↓
穴に落ちた
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082「眼」
ただ、見つめ続ける
神の眼
否定もせず
肯定もせず
あるがままを
見つめている
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081「無防備」
両手をひろげて
あなたが
飛び込んでくるのを
待っているから
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080「ミュール」
こつんと
あたった石ころに
つま先痛い
夏の初めに買ったのに
もう 季節が変わる
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079「湖」
鳥のさえずりが
湖面を渡る
走る波紋
あなたの声は
向こう岸まで届いたか
湖底に潜む魔物に
喰われてしまいはしなかったか
女神は
その願いを聞き届けたか
厳粛なまでに
森の木々は沈黙している
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078「マント」
穴開きだらけの
夜のマント
赤い朝焼けついてくる

シミだらけの
昼のマント
洗濯夕立ついてくる
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077「守り手」
防人の
涼しきまなざし
境を見る
待つ家族あり
故里の家
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076「本」
言葉を束ねて
あなたに贈る
悲しみも
喜びも
束ねて
あなたに贈る
愛も恋も
別離も
束ねて
あなたに贈る

誕生も
臨終も
束ねられた
本を
わたしが受け取る
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075「微笑」
あなたの笑顔が見たくて
花を飾ってみる
あなたの笑顔が見たくて
おどけてみる
あなたの笑顔が見たくて
料理に腕を振るってみる
あなたの笑顔が見たくて
着飾ってみる

ねえ、デートしようよ
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074「星」
街灯りの中に落ちた
星の光を
手探りで探す

#6のサンドペーパーのような
雲泥の中を書きまぜ
星の光の
ありかを探し出す

ヒビ切れた指先に
突き刺さる
光のかけら

#6のサンドペーパーは
かき混ぜられた
星の光を
丸く滑らかに磨いだ
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073「崩壊」
石石石石石石石石石石石石石石石石石
石石石石石石石石石石石石石石石石石
石石石石石石石石石 石石石石石石石
石石石石石石石石石 石石石 石石石
石石石石石石石     石石石石石
石石石石石石 石石 石石石石石石石
石石 石石石 石石石 石石石石石石
石   石 石石石石 石石石石石石
石石 石石 石石石石 石 石石石石
石石  石    石石 石石石石石
石 石石石 石石 石 石 石石石石
石石石石 石石 石 石石 石石石石
石石石石石石石石石石石石石石石石  
石石石石石石石石石石石石石石石石石 石
石石石石石石石 石石石  石石  
                 石
                  石 
       石


               砂

              砂


砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂
砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂
砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂
砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂
砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂
砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂
砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂
砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂
砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂砂
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072「碧空」
手を伸ばせば
届きそうなのに
何かが邪魔をする
青い壁が
宇宙から
大地を隔離する
わたしを
遠ざける
「星は夢の中で
 見るものなのだよ」
手を伸ばしても
届かないのは
わかっているけれども
掴んでみたいと
望む気持ちは
止まらないんだ
青い空は
笑っているけれども
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071「分岐点」
if
あなたに出会わなかったら

if
あなたが生まれてこなかったら

if
戦争が起きなかったら

if
坂本竜馬がいなかったら

if
人類が火を使わなかったら

if
人類がいなくなれば

分岐点はたくさんあったよ
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070「風鈴」
ちりんと
ひとつ
ふうりん
なった

ちりりんと
ふたつ
かぜが
ゆらした

ちりんちりと
みっつ
あなたが
とめた

しずかに
なった
なつの
にわ
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069「筆跡」
空に一筋
飛行機雲
大地への
手紙

おおきな
手紙
何が書いてある

空にはなんにもないか
何かがあるか
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