2007年06月の記事
2007 06/30 08:44
Category : お題100
カエルの声が
田んぼの水面に
月の影を落書きしては
急いで消した
梅雨の晴れ間の
夕べ
月の横顔
すまして笑う
カエル見上げて
歌ってみる
月まで届くか
跳ねてみる
梅雨の晴れ間の
夕べ
カエルの片思い
田んぼの水面に
月の影を落書きしては
急いで消した
梅雨の晴れ間の
夕べ
月の横顔
すまして笑う
カエル見上げて
歌ってみる
月まで届くか
跳ねてみる
梅雨の晴れ間の
夕べ
カエルの片思い
2007 06/28 09:12
Category : お題100
饒舌なる天照大神
豊饒の時を迎えるために
使役し
指図し
暴露し
闇に身をゆだねる
傲慢なるゼウス
悦楽を手に入れるために
狩猟し
醸造し
飽食し
月を腕に誑しこむ
中心なる太陽
惑星を生み出し
育成し
放任し
爆発し
一葉の風となり終わる
豊饒の時を迎えるために
使役し
指図し
暴露し
闇に身をゆだねる
傲慢なるゼウス
悦楽を手に入れるために
狩猟し
醸造し
飽食し
月を腕に誑しこむ
中心なる太陽
惑星を生み出し
育成し
放任し
爆発し
一葉の風となり終わる
2007 06/24 09:32
Category : お題100
暗闇のなかに
綺羅綺羅とおちていくよ
私のことばたち
奈落には
底があるのかたしかめに
綺羅綺羅と
落としこんでみる
こたえはかえってきたか
かえってこぬか
まだまだわからぬ
もうすこし
まってみるのだ
きらきらと
言葉を削り落としながら
奈落の口に
綺羅綺羅とおちていくよ
私のことばたち
奈落には
底があるのかたしかめに
綺羅綺羅と
落としこんでみる
こたえはかえってきたか
かえってこぬか
まだまだわからぬ
もうすこし
まってみるのだ
きらきらと
言葉を削り落としながら
奈落の口に
2007 06/22 19:05
Category : お題100
あなたのその
空っぽの中に
わたしがいるよ
ずっと
ずっといるよ
ちいさな卵になって
ずっと
まってるよ
空っぽの中に
わたしがいるんだよ
空っぽの中に
わたしがいるよ
ずっと
ずっといるよ
ちいさな卵になって
ずっと
まってるよ
空っぽの中に
わたしがいるんだよ
2007 06/18 16:49
Category : お題100
ハンカチのスカート広げて
照る照る坊主
明日 天気にしておくれ
あのこの笑顔が見たいから
雨の日はきらいなの
自転車通学
スカートぬれる
泣き虫お空の涙を拭いてよ
照る照る坊主
照る照る坊主
明日 天気にしておくれ
あのこの笑顔が見たいから
雨の日はきらいなの
自転車通学
スカートぬれる
泣き虫お空の涙を拭いてよ
照る照る坊主
2007 06/17 06:10
Category : お題100
空の中に雲ひとつ
あなたの帽子に
似ているね
田植えのあとの
水面に映った
あなたの帽子
田んぼのあぜ道
散歩の途中
はずんでいるよ
白い帽子
あなたの帽子に
似ているね
田植えのあとの
水面に映った
あなたの帽子
田んぼのあぜ道
散歩の途中
はずんでいるよ
白い帽子
2007 06/13 16:31
Category : お題100
窓から入ってきた時間は
ベッドの横を通り
開けっぱなしのドアから
階段を下りて
リビングに初夏を置いていった
庭には満開の花
濃さを増していく緑
梅雨前の青空
今日という時間が
新しい
ベッドの横を通り
開けっぱなしのドアから
階段を下りて
リビングに初夏を置いていった
庭には満開の花
濃さを増していく緑
梅雨前の青空
今日という時間が
新しい
2007 06/11 08:21
Category : お題100
みぞれが降り始める中
林檎の収穫
小高い山の中腹の畑
母の手があり
祖父母の手があり
叔母の手があり
弟の手があり
わたしの手がある
転がり落ちる林檎を
追いかけて
転んだ弟の笑い声
皆の笑い声
枝先の林檎は紅かった
林檎の収穫
小高い山の中腹の畑
母の手があり
祖父母の手があり
叔母の手があり
弟の手があり
わたしの手がある
転がり落ちる林檎を
追いかけて
転んだ弟の笑い声
皆の笑い声
枝先の林檎は紅かった
2007 06/10 18:16
Category : お題100
誰かが
そう 植物研究家が
花は分解されても
それぞれが美しい
と言っていた
花弁と雄芯と雌芯と蕚
その中には水脈があり
蜜を作る器官があり
花粉を作り出す細胞があり
生の営みは続いてゆく
同じく
人間を分解してみる
頭には眼と鼻と口と毛
手と足と胸と腹と臀部と
生殖器官
もっとバラバラにしてしまえば
美しいか
呼吸器官と消化器官と排泄器官と
筋肉と血液とリンパ液と
鼓動する心臓
もっと分解してしまえば
白血球と赤血球と血小板と
あとに残されたものは
こころ という目に見えない
美しい言葉
そう 植物研究家が
花は分解されても
それぞれが美しい
と言っていた
花弁と雄芯と雌芯と蕚
その中には水脈があり
蜜を作る器官があり
花粉を作り出す細胞があり
生の営みは続いてゆく
同じく
人間を分解してみる
頭には眼と鼻と口と毛
手と足と胸と腹と臀部と
生殖器官
もっとバラバラにしてしまえば
美しいか
呼吸器官と消化器官と排泄器官と
筋肉と血液とリンパ液と
鼓動する心臓
もっと分解してしまえば
白血球と赤血球と血小板と
あとに残されたものは
こころ という目に見えない
美しい言葉
2007 06/09 06:29
Category : お題100
蚊を叩く
ボウフラが生まれる
ハエを打つ
蛆がわく
花が散る
種が芽を出す
鶏を〆る
卵が孵る
パンを食べる
麦が実る
老齢者が鬼籍に入る
男と女が睦む
ボウフラが生まれる
ハエを打つ
蛆がわく
花が散る
種が芽を出す
鶏を〆る
卵が孵る
パンを食べる
麦が実る
老齢者が鬼籍に入る
男と女が睦む
2007 06/08 08:11
Category : お題100
大地に立ち
両手を広げる
日の光をあびて
ぼくは深呼吸する
ぼくの中を駆け巡る
血潮
大地から流れ込む
冷気
ぼくは
一本の若木になる
両手を広げる
日の光をあびて
ぼくは深呼吸する
ぼくの中を駆け巡る
血潮
大地から流れ込む
冷気
ぼくは
一本の若木になる
2007 06/05 16:45
Category : お題100
影すら映し出せぬ光線の中を
ただ立ち尽くす
上下さえも意識することなく
表裏までもが一体化
前進も叶わず
後退は愚か者のすることだと
己のうちから声がする
狂うほどに
狂うほどに
狂うほどに
狂ってしまえば
手に入るものが
ある
ただ立ち尽くす
上下さえも意識することなく
表裏までもが一体化
前進も叶わず
後退は愚か者のすることだと
己のうちから声がする
狂うほどに
狂うほどに
狂うほどに
狂ってしまえば
手に入るものが
ある