2005年06月の記事
2005 06/30 22:06
届いた手紙には
空白があるばかり
花の色香も賑わいも
あたりまえのように
そこにあるのに
あなたの
影だけがない
2005 06/29 21:30
部屋の隅に滞った綿ゴミ
塵積もったハウスダストは
鼻腔を刺激する
心の片隅に
沈殿した砂塵は
目の前の風景を刺激する
2005 06/28 20:21
泥田の上に
夏アカネ
早苗の上に
夏風を曳く
2005 06/27 21:45
千切られた梅雨前線
梅干の
干す間逃す曇り空
2005 06/26 20:43
薄雲の切れ間をめがけて
夏の照射
撃たれてあえぐ
アスファルト上の街
2005 06/25 22:18
木陰を通り抜ける
地球温暖化情報
暑さの中で
眠れる情報を
虫取り網で捕まえる
いつかは氷河期もまた
やってくる
2005 06/11 22:37
空っぽの中に
猫の声詰めて
お空にほうりなげてみる
空っぽの中に
トカゲのしっぽを入れて
埋めてみる
空っぽの中に
あなたの
笑顔ください
そうしたら
わたしは
空っぽを抱きしめてみる
2005 06/10 21:53
散りさらばえた人生の
風に舞う切れ端を
君が拾ってくれればいい
書き留める
時間の切れ端
かき集め
君が再び
構築するがいい
2005 06/03 20:33
陽だまりに
咲きほころびて
北の春
頂きに
まだ雪を飾りし
故郷の山々
山々が目覚めた朝に
初夏の風景に向いて
疾走する