星屑工房

新しき門出だというのに
うざったげな日差しは
春を忘れている
身のほど知らずな
自信過剰は
はた迷惑なほどに
世の中を茹だらせる
夢がかなうのは
いつも
自信ありげな奴ばかり
そんなふうに
すねてしまった
今日の陽気

今日の気温は
フェルマータ
春が滞っている

枯れ枝に
止まる
春告げ鳥の
さえずり
風鳴らし
耳に届く

孤独を餌にして
別世界を構築する
それはそれで
楽しいことかもしれない
あなたの時間は
無限ではないのだから

瞬きするよりも長く
あなたのことを考える時間より
短い
次の瞬間には
暗転
第2章が始まっている

自分が傷ついたふりをして
平気で他人を傷つける
優しいふりをして
嫌われることを怖れている
守っているのは
ルールでもなく
相手のことでもなく
我が身