2003年08月の記事


「ファイアストーム」
雷鳴の最中
炎は上がり
見えぬ星を探すように
突風にゆだねる

暗雲は闇より色濃く
木々はうなり
流れは息をひそめ

我が恋は
焼け落ちる火焚
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「山頂に立つ」
地の襞より産まれし
喜びの乱舞
樹にからみ
岩肌に這い
冷気の上昇に乗る

逸る心 露わに
天に舞う水蒸気
囚われし我が身
一陣の風
開眼する天空の仏陀
連写するフォトグラファーの如く
乱打する我が鼓動

雲海は蒼き大海を擁護す
藍き峰は蒼穹を支える
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「雨音」
清々とふるあめ
生々とみどり
正々とあまだれ

上々とはなたち
嫋々とちょうたち
条々とありたち

淡々とあまおと
坦々とねらいうち
耽々とおちる
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「笹」
夕風に
ざわめく葉ずれに
玉水の揺れて落ちる
嵐の跡形
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「海」
帆を張り 風を受け
船は笑う
たぷたぷと横波が
船の腹を叩く

笑いながら走る
船を操る船長は
まるで風の調教師

波に呑まれそうに
無口なるわたしを
笑って諭した

「思いつめると、船酔いするよ」

船の舳先に立ち
船と同化する
海に抱かれる女神
演じてみるわたし
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