2002年04月の記事


「断頭台的献立」
青菜のうえに メディア規制法

味噌汁の具は
スーパーの特売品売り場

極めつけの
メインディッシュは

キムチ風味のサッカーボール

情報過多の今夜のメニュー
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「絶え間なき光の調べに」
光の鎖を引きちぎり
夢見る乙女を救い出せ
螺旋階段駆け上がり
追っ手を惑わせ
逃げ切るのだ

白亜の迷路は
行く手を閉ざす
乙女のドレスは純白の
更紗サテンの光色

逃げ切る前に
光の渦に
呑み込まれぬよう
乙女の唇を
うばってしまえ

彼女の吐息が
闇を呼ぶ
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「凪」
甲板に立ち
行く手を見下ろす

風はまだ

目的地は遥か彼方
太陽がぎらつく空間
行く手をさえぎるのは

恐怖感のみ

船首をあげろ
そろそろ 風が吹く
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「悲恋」
独り寝の寂しさを
わかっているから
なお 切ない

コトバの鎧で守られた
あなたのこころを
裸にして
包んであげたい

もっと 自由になれたら
恋は悲しくないのでしょうか
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「冥土 in Japan」
亡者あふれるこの国は
先行きのない 凍土

誰が欲しがりましょう
笑うことも 泣く事も
ましてや 怒ることもできなくなった
無味乾燥したこの土地を

生むことを拒絶した国土は
亡者のみが行くばかり

そのへんに生えたぺんぺん草のほうが
まだ自己主張している
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「リストラ」
最近 仕事を変えろと
言われました

のんびりと 虫たちや水生生物と
戯れているのが楽しかったんですけど
季節の風は旅の話をしてくれたんですよ

もう 米や麦は作らなくていい と
役目は終わった と

これからは、建築物を支える土台になれと
言われました

――――そんなふうに 田んぼが話してました
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「幻影」
追いかけても
追いかけても

捕まえられない



逃げても
逃げても

追いかけてくる



あなたとわたし
幻と影
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「マリオネット幻想」
コトバはないの
あたしの コトバは
存在しない

手をあなたの頬に
唇をあなたのそばに
寄せて
あたしの気持ち 伝えるの

あなたのコトバで
あたしは動く

あたしはどこへ行けばいい
あなたのそばへいればいい

あたしの心はあなたのコトバで
溢れそう
溺れそう
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「新緑」
新緑に集まる
木漏れ日
たずさえて

歩は軽く
風は優しく

あなたの微笑みは
暖かく

木漏れ日の
かしましくもあり
楽しくもあり
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「旅人賛歌」
旅人は旅をする

旅をして何かを見つける

何かを見つけるために

旅をする

旅人を待つ人は

旅人を送り出す

再び訪れてくれるのを

待つともなく待っている

日常を編みながら
旅の土産話を待っている

旅をする

反対語ってなんだろう
ふと
そんな疑問も口にしながら
安寧とした空間に立っている
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「文化国家」
コトバを開発し

絵画を生み出し

音楽を生産する。

造形を醸し出し

美食を堪能し

哲学を語る。

そして

エネルギーだけを
消費してゆく

文化国家 日本。



大地は文句も言わずさせている。
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