2001年12月の記事


「尋ね人」
彼の名前を知りませんか
何度か逢ったことのある人なんですが。

銀河の果てを
いつも何かを探すように
旅を続けていた

時々訪ねてきてくれるのですが
彼の名前を覚えていないのです

もしかしたら
宮沢賢治という名前だったのか
サン=ティグ・ジュペリ
あるいは
ジャック・マイヨール
だったのかもしれません

どなたか
彼の本当の名前を教えてください
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「珍味」
豚の耳を喰ってみるより

あなたの耳を噛んでみたい

それから甘美な時間を
あなたと堪能
至上最高を味あわせてね
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「回答」
子供が生まれたとき
夫に尋ねた
「子供がどうして
わたしを産んだの?」と聞いたら
なんて答える

夫は笑って答えた
「おまえが生まれたがっていたからだよ」

そうか
わたしは、生まれたかったから
生まれてきたのか
そんなことすら
忘れていた

では、生きていることを
実感していていいわけだ

痛さも、苦しさも
悲しみも、喜びも
生きている証明書
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「テロ」
平和テロ

そんなのがあったら
いいね
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「少女」
電車の座席から立ち上がる
少女のふわりとした匂い
懐かしく 儚く
物悲しく
指の間から逃げてゆく

ろうそくの炎を見つめる
少女のあどけない瞳
息苦しく いとおしく
愛らしく
記録シフトはカメラポジション
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「ストップモーション」
エンディングの前に
ポーズボタン

あなたのコトバを
再生する

もう一度
あの時の自分の気持ちを
確かめたくて

あれは、偽り?
ごまかし?
あるいは真実?

それから
いまの自分を再録再生

あの時のまま
気持ちはストップモーション
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「回廊」
辿りつくまでの時間を
あなたへの想いで暇つぶし

あなたに逢ったら
何を言おう
あなたに逢ったら
何から始めよう

あなたに逢ったら
あなたはなんて言うでしょう
あなたに逢ったら
あなたは 微笑んでくれるでしょうか

少女のように足どりは
早くなります
心は弾みます

あの角を曲がったら
あなたに逢えるのですか

あなたに
逢えたら いいのに
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「琥珀」
歴史を閉じ込めた
過去からの手紙

汝 何を見つける
我 汝を見つけた

同じ色した液体を
グラスに注いで
語りあう

あなた 何見てる
わたし あなたを見てる

琥珀の中に
恋を閉じ込めて
飲み干してしまえば
何もなかった原始へ
戻れる

琥珀の中の歴史は
何を閉じ込めている
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「暇」
一人の時間を持て余す

遊び相手はキーボード

知的な暇つぶし

そして、無駄な時間つぶし

最近のBGMは「竹内まりや」

あまりに不似合い?

それでも、少しは夢見てる
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「手ほどき」
何度も試みる
ダウンロード

繰り返される
インストール

それでも
わたしのなかはからっぽ

あなたの影すら
ものにできない
まぬけなビギナー
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「寒月」
研ぎ澄まされた寒の月
星を伴う
晩秋の空

息をひそめて見上げれば
流れる星のいとおしき

風のさざめき
気が付けば
冷たき光の優しさよ

思うは遠き
彼の人か
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「猥褻物陳列罪」
よって
露天風呂は閉鎖になりました

(ハダカが全部 猥褻物なわけない。
露天風呂、好き〜♪
混浴でもかまわんよ、どうせおばさんだし〜
おばさんのハダカは見たくないって?
そのセリフのほうが失礼だよ。でもさ、
ハダカ見せたくて、露天風呂に入る
わけじゃないんだよ
あなたのハダカも見たいとは、思ってないしね)
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「生まれし者」
幸多かれと
生まれし者

何処の空の下
富めるものに生まれし
赤貧なるものに生まれし

わけへだてなく
愛されたまえ

わけへだてなく
愛したまえ

幸多かれと
祈りたまえ
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「餅つき」
杵と臼があれば
餅つきができるわけではない

米をとぎ、水に浸す桶がいる
水を切るショウギがいる

かまどがいり
お湯を沸かす釜がいり
蒸篭がいり
蒸かし布がいり、蓋がいる

つき手がいり、かえし手がいる

そこに酒があり、肴があり
笑いがあって、祭りになる

今年もまた終わり月
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「時の狭間に人は立ち」
暮れる陽光に人は立ち
闇を迎える覚悟する

時の狭間に人は立ち
夢を迎える仕度する
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