2016年02月の記事


「帝廟からの眺め」
<<ベトナム>>--フエ--


やっとカイディエン帝廟のある石段の、最上階に辿り着いた。

登山で山の頂上に辿り着いたのと同じ感覚で、吹き渡る涼しい風に満足しつつ汗を拭きながら、下に見える最上階の踊り場の光景を眺めた。

ご覧のように、踊り場の左右には、この廟を守るグエン王朝の高官たちの石像が並んでいる。

これらの石像の顔や容姿が、少しずつ違うのは、実在した人物を真似て像を造り上げたらしく、一人一人の容姿を見詰めるのも興味深かった。

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「カイディエン帝廟③」
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3階の踊り場に向かう2階の踊り場には、このような石像の見張り番が、石段の脇に置かれている。

更に最後の3階の踊り場には、沢山の廟を見守る衛兵達の石像が整然と置かれているのだ。

私はこれらの石像たちの様子や表情を眺めながら、マイペースで石段を上って行った。

我々の仲間達は、もうとっくに最上階にあるカイディエン帝の廟の内部に辿り着いて、廟内を見学しているのだろうなと思いながら、最後の力を振り絞って、石段にチャレンジしたのであった。

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「カイディエン帝廟②」
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最初の石段を上り詰めると踊り場に出て、更にそこから次の石段が現れる。

やっとの思いで最初の石段を上り終えたら、また次の石段が有り、暑い事もあり、此処でしばし汗を拭き拭き歩みを止める。

次の石段にチャレンジする人の数も、此処で一休みするせいか、最初の石段より多い気がする。

目の前の石段を上り詰めれば、そこに廟が有るのかと思ったが、そうではなかった。

しかし上に行くに従って、次の踊り場にはこの廟を守る人型の石像群が現われ、それらを眺めるだけでも良い骨休みになったのである。

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「カイディエン帝廟」
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グエン朝第12代皇帝カイディエン帝の廟の入り口。

1920年から12年掛けて作られたこの廟は、外観からは想像が付かないほどに、廟内に壮麗なモザイク模様が施されている。

先ず此処の入り口に到着し、この石段を見た時、既に腰を悪くしている私は、果たしてこの石段を登る事が出来るのかと、ためらったものである。

この光景からは見ることが出来ないが、この石段を上ると平坦な踊り場に出て、更にそこから遥か上の方に石段が続き、山の頂上に壮麗な廟が現れるのである。

仲間には先に行ってもらうこととして、マイペースで少しずつ石段登頂にチャレンジしたのであった。

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「船内からの眺め」
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フォン川をゆっくり上って行く遊覧船内の様子である。

中央の柱を境にして、左側と右側の川の水位が、異なっているように見えのではないだろうか。

これは決して2枚の写真の合成や、ガラスを通して見る屈折画像の変化ではない。

向かって左側がフォン川の上流方向であり、右側の水位が低く見える光景は、その先が中洲になっていて、中州の先の川の水面が見えないからである。


たまたま偶然船内の中央柱を境に、川の画面が2つに割れたようになったので、面白い光景となったのである。

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「船内の土産物」
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小さなドラゴン型観光船の中で売られている土産物の数々。

わずかな移動時間の乗船でも、抜け目無く土産物が船内で売られていて、更に子供に向きそうな玩具類を船員が持ち回って販売する。

ワンドリンクに付き、無料なので、冷たい飲み物と一緒にそれらの土産物を持って来て披露するので、つい釣られて買ってしまうのである。

船内に陳列されている土産物は、ベトナムだけに手作りの竹細工や木工品などが多く、ベトナム人が如何に手先が器用なのかを物語っているようである。


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「操舵席にて」
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ティエンムー寺から、次の見学地カイディン帝廟までは観光船で行くことになる。

一見大きな龍を模したこの観光船は、乗船客にこのような余興で操舵をさせてくれる。

船内には様々な土産物などが売られていて、私も孫娘に可愛らしい帽子を買ったのであった。

このフォン川での観光船の乗船時間は、わずか30分位であったが、ベトナムの河川が、一応に土色をしており、川岸の先には古い家が立ち並ぶ光景を見たりして、結構移り行く景色を楽しんだものだ。

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「本堂前にて」
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ちょっち変ったティエンムー寺の本堂前での記念撮影。

同じ仏教のお寺でも、日本の本堂とはかなり趣を異にする。

こうして東南アジアの各国を旅すると、発端は同じ仏教でも、異文化の持つ独自性が時を経て、その様相を環境に合わせて変化させ、その国に合ったように醸成されて行くのがとても興味深い。


インドに端を発した仏教が、中国で開花し、更に東南アジア各国を経由して日本に定着した訳だが、寺院の形状を見る限り、かなりその様相は異なっていると感ぜざるを得ない。

矢張り暖かい国の寺社は、荘厳と言うより、開放的で庶民に親しめるような、実用的なものであるように思えるのは、私の私見であろうか。

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「遺品」
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1963年ベトナムが南北に分かれていた頃、仏教弾圧に抗議して、此処ティエンムー寺の住職がサイゴンで焼身自殺をした時に、彼が自殺現場に乗って行ったオースチンのセダンである。

この展示してある車の背景には、住職が焼身自殺をした時の写真が貼られている。

この写真の背景には、彼が使用したこのオースチンが写り込まれている。


ゴ・ディン・ジエム政権を握る首相の妻は、この焼身自殺を称して「人間バーベキュー」だと言って顰蹙を買ったものである。

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「夏空の先に」
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ティエンムー寺入口の仁王門を過ぎると、夏草の生い茂る参道の先に、本堂が見える。

本堂と言っても禅寺であるので、此処で大勢の僧侶達が、座禅を組む場所となっているので、広い空間のある部屋となっている。

この寺の住職が、1963年に南北ベトナムが分断されていた時に、南政府の仏教弾圧に講義して、焼身自殺を計ったのは有名な事件であり、ご存知の方も多いであろう。


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「大王像」<
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ティエンムー寺入口の門の中、左右に大きく貼り付けられている大王像の姿。

およそ禅寺には似つかわしくない、この凛々しい大王像であるが、これは日本の寺の山門の中の左右に鎮座している仁王像と同じ意味であろうか。

この左右二体の大王像は、この門を通り抜けようとする悪人を、此処で懲らしめ追い払うと言う意味合いが有りそうである。


この像を見た時、どこかでこれと同じ容姿の将軍像を見た事が有ったように思われたが、どうやらそれは三国志に出てくる猛将、長い顎鬚を蓄えた関羽に似ていると感じたのであった。

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「ティエンムー寺入口」
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1601年に建立された、グエン朝よりも古い歴史を持つ禅寺の入口の門から見た光景。

この入り口の門の両脇には、日本で言う仁王様のようないかめしい像が置かれていた。

円形の門の先には、夏の日の中に、寺社の建物が眩しく散見出来た。


此処の寺は、敬虔な仏教徒を要する戒律の厳しいベトナムきっての仏教寺院で有ることで有名である。

門の上に掲げられている寺院の看板は、漢字で書かれているが、これがベトナム語ではティエンムー寺と読むのであろうか。

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