2021年10月の記事


帰船風景(大正11年当時) 『釧路市のあゆみ』(昭和34年)掲載。
 帰船風景(大正11年当時) 『釧路市のあゆみ』(昭和34年)掲載。

 「写真帳」の「漁業」で紹介。釧路川河口を幣舞橋側からのぞんでいる。
 写真の意味する点は、「帆を風にうけ、港に帰る川崎舟」ということになる。
 帆を張っているのは帰港しているタラ、カレイなどの操業舟。右岸には帆柱だけのすでに帰帆している舟もみかける。 
 手前に櫓で漕ぐ舟も航行している。こちらは「南部舟」。
 
 二つの舟には、舟型も動力も、そして漁業種目も差異がある。
 手前の「南部舟」は、沿岸漁業のサケマス引き網漁業など回遊魚やコンブ採藻漁業を営む。
 動力は「櫓 ろ」で、船底は幅広で、平滑な構造。前浜で操業する底の平滑な構造。

 帰帆する川崎舟は、沖合16ー20キロ先まで帆走する。
 川崎舟は越後・新潟の漁業者が持ち込み、タラ・カレイ・メヌケ・キチジなど、惣菜魚の漁獲に従事した。
 沖合を漁場とする漁船で、漁場では舟自体が「網を引く手繰り網 てぐりあみ」漁業の「漁網曳航の機能」が見逃せない。
 網を曳き、漁獲物を沖合から港に搬送し、漁港と漁場を「帆に風をうけて往返する」、すぐれもの。

 川崎舟の船底は、鋭角。軸に側板を貼り付けて「水切りが良く」「抵抗を最小限」にする構造。
 大正2年8月。暴風雨のあおりで、川崎舟は河口まで帰帆しながら遭難。63名の犠牲者を産んだ。
 以来、漁船に「焼き玉エンジン」を搭載する「動力船」が導入される。
 川崎舟は資源の属性から通年操業を可能とした。

 川崎舟の導入も、沖合漁業の開発も、釧路港が「“漁業基地”と呼ばれる“漁港漁業”発展」の基盤をつくる。
 写真は「のどか」「牧歌風」「素朴な」漁港に見えるも、エネルギーの蓄積をおもわせる一枚。
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歩きます~まなぼっと幣舞←→交流プラザさいわい~211009
「期待された時代の地方都市 ~釧路とその意味を読む~」 歩きます~まなぼっと幣舞←→交流プラザさいわい~211009

 10月9日。「一歩の会」のみなさんと、歩きます。午前9時30分出発、2キロメートル葯2時間弱のコースです。案内役は佐藤 宥紹氏(城山モシリヤ学コミッション調査役)。
 (訪問地は10ポイント)
 ①“まなぼっと幣舞”2Fロビー
 ②“まなぼっと幣舞10F展望ロビー
③幣舞公園に移動
④日本銀行旧釧路支店
⑤道東経済センタービル、旧釧路新聞社、カモメホール
⑥五代目幣舞橋
⑦「釧路魚河岸発祥の地」碑
⑧「三十番倉庫群」
⑨釧路市交流プラザさいわい前庭
⑩三ツ輪運輸株式会社錦町ビル→

 終わって三ツ輪錦町ビルの会議室内で、提案会議を開催。
 もとより「黙食」。提案はスマホで済ませることに。ここは徹底します。

 歩きます~まなぼっと幣舞←→交流プラザさいわい~211009
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「うな重よりも長い14里」 「さんまんま」・魚政210923。
 「うな重よりも長い14里」 「さんまんま」・魚政210923。

 バス停「三共」に近いところに住む身の上。幣舞橋河畔まではおよそ30分強の散歩道。
 月の18日を「市場の日」と定めて、この日の散歩は  「幣舞橋・『釧路魚河岸発祥之地』碑」をめざす。

 碑に立ち、深く一礼。
 「人間の命のため、身を犠牲にの魚魂」に謝意。あわせて「資源を育てる”母なる釧路川”をクリーンに地球温暖化抑止」。

 終わってMOO構内で「さんまんま」・魚政で、品選び。二本×@800円を求めて、これは夕餉の一品。
 
 それは、高い。そこで、お店の主張点を二つ。
 「秘伝のたれに漬け込んだ秋刀魚とおこわを抱き合わせ、炭火でこんがりと焼いた『さんまんま』」。
 「各地の北海道物産展でも出店している人気の逸品です」。

 それは高い。そんな声あらば、次の一手はいかが。
 「うな重よりも長い14里」。
 世に「栗より旨い13里」というキャッチコピーがあるではないか。「13里」の主は「さつまいも」。
 サツマイモの方がクリ=栗よりうまいか、どうかは別にして。それはそれで、サツマイモ生産者の大きな目標であり、励み。

 「うな重」価格対比で、実に5本分は。
 天然ウナギにレッドカード。養殖ウナギに依存の今、天然サンマでウナギ並みの旨さを。
 ウナギの家の奥方は料理上手だが、ウチのサンマ女房はの料理は、サッパリ駄目だ。そうは、もう申すまい。

 往時、
 「朝日スーパードライは、旨いが」「釧路の地ビールはサッパリだ」。
 そうした御仁に申し上げておく。
 「それって、隣の母ちゃんは美人だが、家のはサッパリ」に、相似たり・
 ナイモノねだりに換えて、「出会った時の気品」を育てたい。
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四基本からの煙、ついに一基に 日本製紙(株)釧路工場210930
四基本からの煙、ついに一基に 日本製紙(株)釧路工場210930。

日本製紙(株)釧路工場の抄紙部門が停機し、事業場が閉鎖となった。「日本製紙(株)釧路工場」の看板が換えられて、「日本製紙(株)釧路事業所」とかわって、火力発電のみ操業に転じた。

1)昭和27年「期待される地域、その完成期」
  日本銀行釧路支店開業に始まり、北洋サケマス独航船発進基地、観光客・映画ロケ地誘致、本州製紙(株)釧路工場誘致と「企業誘致」実現の時期に入る。
2)昭和27年「試される地域、その創始期」
  しかし、石油輸入解禁の影響をうけ、輸送手段が馬産から車両、国内産木材から輸入木材に「資源代替」が浸透、人口は急増期から漸減期の入り口となる。
3)平成10年「試される地域、二次試練期」
  国家財政の緊縮、モノ造り産業の海外移転、脱炭素社会への移行、非製造物主義で国際競争の時代となり、国際競争力低下のあおりが地方に収斂。

  2000年 9月  国際連合 ミレニアム開発目標(MDGs)
  2008年    グリーンニューディール 環境分野への集中・大型投資で、地球温暖化防止と景気活性化の両立を目ざす政策。
  2008年のリーマン・ショック後にアメリカ大統領バラク・オバマが提唱
  2015年9月 国際連合 MDGsの後継でSDGs=「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標。

「需要蒸発」とさえ称される低迷に加え、
製鉄・火力発電・紙パルプ業種に「脱炭素、非製造物主義」から国際的には「否定的世論」。
地域経済指標の急減に、拍車をかけている現状。
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「(詠歌は)民衆の今、"思い”を記録」 細胞学者で歌人の詠歌論210103
「(詠歌は)民衆の今、"思い”を記録」 細胞学者で歌人の詠歌論210103

 「パンデミックは人と他人を分断する」
 「歴史書に一つだけないのは、その時の民衆の思い」「(時の民衆の思いは)時の短歌にもっとも表現されている」。
 細胞生物学者にして歌人、新聞投稿歌の選者を務める永田和宏氏が語る。

 新聞社に寄せられる短歌の6割は新型コロナ感染症を題材に。

 「ハリネズミ 夫婦の適度な距離感 外出自粛で壊される」
 (永田)「コロナを詠い。ユーモアに満ちて、人間関係が豐になる」。聞き手は宗教学者の釈轍宗師。

 「テレワーク 出来ない人が支えてる 文明社会の根っこの部分」
 (永田)「ある意味、時代への皮肉。人との接触を制限できない職種、立場のヒトが社会のニーズに危険を冒して支える」。

 「マスクせず レジに並べばにらまれる コロナより怖い同調圧力」。
 (永田)「これは自身の経験だが」と申したような気がする。「習慣がないもので、ついついマスクせずに店頭へ」。
 これは、ありうる。しかし、そこには「同調圧力」というか、「監視社会」というか。「パンデミックは人と他人を分断する」の素地になる、と。

 他方で細胞生物学者ならではの一言も。
 「感染を理解しながら、(感染経路を)理解することで」「感染症は防ぐことのできるモノ」と説き、「ウィルスは征服できない、受胎のときに遺伝子も組み込まれておる」。

 そろそろ結ぶ。話は続くも。
 「感染がよそ事、他人ごとでは防げない」「自分は大丈夫、感染しないの思い入れは、平常バイアスや楽観バイアスと整理され、極めて危険」と警告。
 (NHKETV『こころの時代 宗教・人生 コロナの時代を読む』211003 05:00~06:00)
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