2003年06月の記事


39野の喪失
観念世界から感覚世界への翻訳者がいなくなった廃屋
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迷い道
迷い道での花標はいつも名も知らぬ白い花
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ワキとシテ
誰の身の上にも その人間にふさわしい事件しか起こらないという法則
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貴種流離
負はある種の儀礼を通過して正へと反転する
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なくしたもの
誰かが缶を蹴る音
破綻の物語を紡ぐこと
自分の影法師
飛ぶ夢
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瑞兆
紫の朱を奪うを悪む 孔子
紫は朱の鬼っ子である
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紫陽花は見た
たぶん 家政婦より多くのものを
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逆鱗
龍の顎の下に逆さに映えた一枚だけある鱗の名
「意見を述べる者、君主の逆鱗に触れなければ、成功も望める」という韓非の教えは企業の「イエスマン」に受け継がれている
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ネバーランド病
自分だけのメリーゴーランドが欲しいと思ったことは?
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街の育成
街を健全に育てるには、病気に侵されたり、風紀を乱す不定因子を適度に排除する必要があります
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パノラマ島奇談
幻想やら猟奇やらを濾過し
沈殿槽の底部の汚泥を混ぜた絵の具で
描いてみせた蜃気楼の島
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赤い実
初めてつけた口紅のように
甘い罪悪感に似た味がする
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皇帝とナイチンゲール
機械じかけの夜啼き鶯が敗者となった物語
又は 鶯の歌で病が治癒した珍しい病例
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黄泉比良坂
最後にその妹伊邪那美命 身自ら追ひ来たりき
ここに千引石を黄泉比良坂に引き塞へて その石を中に置きて 各対ひ立ちて 事戸を渡す時 伊邪那美命言ひしく 愛しき我が汝夫の命 かく為ば 汝の国の人草 一日に千頭 絞り殺さむ、といひき
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エルゼベエト・バートリ
伯爵夫人は血がお好き
なにより まだ温かさの残る血が
最後はお城の窓を塞がれて
3度目の夏に死んじゃった
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不死の使い
神の伝言を伝えそこなったが為に
人間には死が訪れるようになった
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★雁も鳩も食わねば味が知れぬ
★雁が立てば鳩も立つ
諺では雁とセットにされることが多いが
同じ有害鳥獣であっても
伝書烏・烏レースなどは企画が難しかったようだ
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ドードー鳥の憂鬱
ハト目ドードー科
煮コメドモ固イ肉質ノ為食用には向カズ
所作トロク飛ブコトモ適ワズ絶滅ノ憂キ目ニ
ソノ剥製ハ虫食イノ為 ゴミトシテ廃棄サレル
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白昼夢
昼間にぼんやりと見る夢もある
邯鄲の枕もないというのに
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七変化
集アズ・真サ・藍アイ
キマグレ・ココロガワリは世の常だもの
花を責めてはいけません
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マトリョーシカ
大きい魚の腹には小魚が
そして小魚は巨大な鯨の腐乱死骸をつっつく
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幸福論
ほとんどの人が口にする呪文だが
その効果が持続することは まずない
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今夜の彼女の歌声とともに、シャンデリアが落ちるだろう
オペラ座の怪人に欠かせない舞台装置
原作は1896年のパリ・オペラ座のシャンデリア事故をヒントに書かれた
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森は生きていた
森が生きている間 私は微笑むだけだった
森の命が尽きた今 私はただ歌おう
鳴く鳥の群れはもういないのだから
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夢十夜
しばらくして、女がまたこう云った。
「死んだら、埋めて下さい。大きな真珠貝で穴を掘って。そうして天から落ちて来る星の破片を墓標に置いて下さい。そうして墓の傍に待っていて下さい。また逢いに来ますから」
夢十夜 夏目漱石
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この窓は開けられません
12時5分 明大前から特急電車にひらひらと迷いこんだ
モンシロチョウの地獄が始まる
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切り札
クラブの王は痴れ者
クローパーのジャックは厭世論者
ダイヤのAは計算高い
ハートの女王は首を切る
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Bullet Time
bulletは銃の弾丸という意
一つの瞬間を多方向から捉えた複数ショットで連続的に示すタイム・スライスを進化させた技法
マトリックスのネオがこれで弾を避けてみせた
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梵天の塔
はめこまれた64枚の純金の円盤が全て
他の棒に移動したとき 宇宙は死滅する
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インディアン座
16世紀のオランダの航海者の記録に基づき
17世紀初頭ヨハネス・バイエルが「ウラノメトリア星図」に書き記す
子馬の南 孔雀と鶴の間 南天に位置する星座
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