2003年04月の記事


たんぽぽの種
この世の終わり
世界の涯まで飛んでいけ
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瑪瑙
勾玉に込めた瑪瑙の秘密
荒らぶる神の疲労を読んだ
ただこの世の衰亡に身を任せ
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リストラクチャリング
延々と円周率を計算する毎日から
突然、廃棄工場行きを宣言される
眼鏡を変えたら
靴磨きロボに再生された
けっこう楽しくやっているよ
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時空双六
八の目でタイムスリップ
何処のループに引っかかったかわからずに
小市民な生涯を送るはめになる
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骸骨になっても
笑ったり泣いたり歌うことさえできるんだよ
サンカミジラサヤ ジユンナラン
人の世は珍しくとも自由にならず
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三日月姫
少女と会える日は
爪より細い三日月が浮かぶ日だけだ
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夕闇少年団
子供の時間はやけに長かったのに
大人になると、なあんて短くなっちまうことだろう
自分の中にいたはずの夜を怖がる子供も
何処かに消えてしまったから
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幽かに浮かびあがる不可思議をすくい
小さなぼんぼりを作った
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海竜泉の夜
水ぬるむ春は心地よい
蛭子神たちの棲む沼地がある

月の夜は密やかな夢と歩いてく
浅田有理
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夢遊病者の足跡
血を飲むヒバリ
血を吐くヒバリ
穏やかな春の日の悪夢
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361の宇宙
碁盤の目の数が361
これに四辺の数4を加えれば365となり
1年の日計に等しい
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臓器工場
所詮、肉体は血のつまった袋にすぎない
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白桜忌
なにとなく 君に待たるるここちして
出でし花野の 夕月夜かな
与謝野晶子

戒名に白桜院を望んだ彼女には
「白桜院鳳翔晶輝大姉」の法名がつけられた 
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瞳ノ中ノ春
アナタノ瞳ノ中ニダケ
私ノ春ガ存在スル
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めもりい
ああ おそらくヴァニラ色の髪をした少女が
吹いているのだろう
僕の胸を優しくふるわすハモニカの音
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此花咲耶姫
是に天津日高日子番能邇邇芸命、
笠沙の御前に、麗しき美人に遇ひたまひき
爾に「誰が女ぞ」と問ひたまへば
答へ白しけらく
「大山津見神の女、名は神阿多都比売
亦の名は木花佐久夜毘売と謂ふ」とまをしき
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卯月通信
閑かなる閑かなる春の日
言葉も捨てて
ただ透きとほる存在でいたい
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あなたの桜は?
春風の花を散らすと見る夢は
さめても胸のさわぐなりけり
西行
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虚空
彼ははじめて四方を見廻しました
頭上に花がありました
その下にひっそりと無限の虚空がみちてゐました
ひそひそと花が降ります
それだけのことです
外には何の秘密もないのでした

坂口安吾 桜の森の満開の下
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桜の樹の下には
桜の樹の下には屍体が埋まっている
これは信じていいことなんだよ
何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか
梶井基次郎
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ふりかえる魔物
「帰る」ということは、不思議な魔物だ
「帰ら」なければ、悔いも悲しさもないのである
帰るということの中には、必ず、ふりかえる魔物がいる

坂口安吾
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さくら
まだ散り急ぐな
花散らしの雨まであと少しだけ
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狂気の季節
頭のネジがはずれた人々が多くなるのも
なんだか死んでしまいたくなるのも
桜のせいにしてはいけないよ
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